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 “お笑い”哲学論のページにようこそ!

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◆その記憶は本物か?◆


1992年、アメリカの女性が心理療法を受け、その中で、
「牧師の父から、性的な暴行を何度も受け、二度も妊娠させられた上に、ハンガーで堕胎させられた」
という記憶を思い出しました。

このような悲しい事例は、カウンセリングの現場で時折見られるものですが、この話には続きがあります。

その後、彼女が病院で検査を受けると、なんと妊娠した事実は無いと判明したのです。

彼女はカウンセラーを告発して、1996年に百万ドルで和解が成立しました。
カウンセラーは記憶の捏造を否定していますが、彼女はカウンセリングの過程の中で、偽りの記憶を作り出されてしまったのです。
(偽りの記憶を思い出してしまったのです)

実は、多重人格なども、(下手な?)カウンセリングによって作られる可能性が指摘されています。
深層心理を探り、無意識という(本人の知覚できない意識を)カウンセラーが判断することが、記憶を生み、人格を生んでしまうのです。
このような事例は多いといいます。

私が以前、よしよしさんの質問に答えて、フロイト風の分析を書きましたが、あのようにワザとふざけて信用できない文章にしたのは、この危険を考えてのことです。
いくら私が信用に値する立派な人物でも、盲目的に信じてもらっては危険なのです。
(以後、私を信用しないで下さい)
(でも、もう少し信じても構わないと思います)

ふつう記憶は自分自身の体験によって形作られたものです。
自分の記憶を疑う人は、私ぐらいでしょう。
(私は、確かに、ラテン系日本国籍のスコットランド人だし、大金持ちだし、大勢の女性にモテた、と記憶しているが、最近少し疑うようになってきた)


ここで、ある実験を紹介しましょう。
ロフタスらが行なった実験では、あらかじめ被験者の周囲の人から、子供の頃に起きた実際の出来事を聞いておきました。
次に、その実際の三つの出来事に「五歳の頃にデパートで迷子になった」という架空の出来事を加えた四つの物語を文章にして、被験者に読んでもらい、その出来事について憶えていることを書いてもらいました。
その結果、実際に被験者が体験した出来事の68%が思い出されただけでなく、29%の人は、架空の出来事についても“思い出した”のです。
その後、二回にわたって行なわれた面接でも、この作られた記憶は、ほとんど維持されていました。

あなたの記憶は本物ですか。


(私の記憶も自信が無くなってきました)






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